2006年6月の毒まつたけ


06/02(金)【ジョナサン・キャロル】
06/06(火)【キッチン・コンフィデンシャル】
06/11()【標的は11人】
06/18()【買い物の日】
06/19(月)【マトリックスリローデッド】
06/25()【暗闇のスキャナー】
06/27(火)【掲示板かえてみますた】


2006年6月2日(金)
 夜勤明けで昏倒して夕方起きたらメトロイドプライムハンターズが届いてたよ。やってみた。
 タッチペンを使った操作性があまりよろしくないような。慣れればそうでもないのかもしらんけど。
 それでも、買って損はないゲームだとは感じた。お薦め。特に、おまけ要素だと思ってたアドベンチャーモードが意外にボリュームがある感じでびくーり。ファミ通の評価ちょっと低すぎるんじゃねえの?

 ジョナサン・キャロルの短編集『パニックの手』が文庫化されたらしい。
 キャロルを読んだことのないひとは『死者の書』をいっかい読んでみたほうがいいよ。びっくりするから。俺、15年ぐらい前の学生当時これ読んだ直後、あまりの衝撃を受けて、即、キャロルの既刊をさがしに名古屋じゅうの目ぼしい本屋をチェックして回ったもん。当時はwebだのamazonだのは無かったからな。じぶんの足でなんとかした。
 それ以来、俺の頭の中での「新刊が出たら1万円出してでも買う作家リスト」にこのひとは入ってる。

 ちなみに現時点で俺の「新刊が出たら1万円出してでも買う作家リスト」に入ってるのは他にロバート・F・ヤング士郎政宗グレッグ・イーガンの3人のみ。ヤングはもう死んじゃったけど未訳はまだまだいっぱいあるはず。なんとかしてくれ。

2006年6月6日追記:誤記してもうた。×士郎政宗→○士郎正宗。


2006年6月6日(火)
 ファイナンシャルプランナーが作った家計簿が突然シェアウェアになってちょうしょんぼりんぐ。2100円だからたいした金額でもないけど。とりあえずバージョンアップはしないでしばらくはフリー版として使う。
 これにともないじぶんの愛用ソフトのページ修正しとかなきゃと思ってひさしぶりに開いてみた。俺意外にシェアウェア使ってるのね。2100円ぐらいならまあいっかなあ。

 アンソニー・ボーデイン『キッチン・コンフィデンシャル』(新潮文庫)読んだよ。これはおもろかった。料理人バカ一代の半生記。漫画『バンビーノ!』はたぶんこの本参考にしてるね。
 自惚ればっか強くてたいした技術も持ってない駆け出しの小僧だった筆者が業界で揉まれてくうちにいっぱしの(とゆうかすれっからしの)料理人になってく。ヤク中になった筆者が潰れる間際のレストランを転々とさすらうあたりのどん底描写のえらいリアリティ。すばらしい。
 厨房で働く連中はみんなならず者。そしてシェフの大半はサイコさん。レストランのキッチンをまわしてるのはそんな連中ばっかだとは知らなんだ。日本だとどうなんだろ?
 そしてそんなひとらの描写がすごいおもろいの。完全にサイコパスだけどパンづくりの天才、とか。漫画みたいだな。
 訳者の文章がところどころおかしくて意味のとりにくいことがあるのが少しだけ残念。でもお薦めよ。続編も文庫化してくんないかなあ。

 ところで、漫画の正確なタイトルが『バンビーノ!』なのか『バンビ〜ノ!』なのかよくわからんので小学館のサイトで確認してみたんだけどあろうことか両方混在してやがった。出版社のオフィシャルなページでそおゆうのはいかがなものか。


2006年6月11日(日)
 ジョージ・ジョナス『標的は11人 ―モサド暗殺チームの記録─』(新潮文庫)読んだよ。映画『ミュンヘン』の原作。正確には原作じゃないかもしんないけどまあそんな感じ。
 えらいウソくさいな。
 こおゆう報復作戦がありましたと言われたら大筋では納得できる。けどディテールがもっすごいウソくさい。フィクションっぽい。「ル・グループ」なんてのも、民間の秘密組織でこの規模だと大きすぎてとても維持できんと思うよ。人の口に戸はたてられん。有能すぎるのにも違和感がある。
 おもしろかったのは、映画化に際してスピルが変更した箇所が分かったこと。いくつかある。女のコが間違って電話に出たりはしない。ベッドの下の仕掛け爆弾は映画みたいなえらいことにならずに大成功する。ここらへんの改変は、よりドラマチックにしてみました、ということでいいとして、映画と違って冒頭でアホなアメリカ(だっけ?)選手団がテロリストの侵入を手伝う場面がなかったのには、む、と思った。なるほど。
 ノンフィクションの体裁をとった冒険小説だと思えばかなりおもろいのでお薦め。イカニモなウソくさいディテールがファンタスティックでかっちょよくてにやにやしてしまった。

 デイヴィッド・マレル『廃墟ホテル』(ランダムハウス講談社)読んだよ。
 マレル師匠の異色作。廃墟となったホテルを探検することになった5人パーティの話。廃墟の中でほぼ最初から最後まで話が展開する。登場人物少ないのに途中から情け容赦なくえらいことになるのにはびくーり。
 ただ、マレル後期の長編の特色だと思うんだけど途中から唐突な要素が入りすぎるのはちょっとアレだと思う。巻の半ば過ぎてからいきなり重要なサイコさんが登場したり主人公のヨメがどうこうとか言い出したり。まあトータルでみるとまずまずおもろい小説だったけど。
 マレル師匠の長編はやっぱ『蛍』までかな。

 んで今は暗闇のスキャナーいちおう読み読み中。
 とりあえずあとがき方面だけ先に読んだ。訳者の山形浩生というひとがどうも変な奴っぽいのでこら買って失敗したと思った。
 まず、書籍のタイトルを略した上で二重カギ括弧の中に入れるという無神経さがものすごいカンに触った。「『アンドロ羊』」なんていう珍妙な略しかたをおもしろがるのはそのひとのセンスだからまあしかたないけど、略した場合二重カギ括弧は外しとかんといかんだろ。
 ディックがこの本のような作品を二度と書くことがなかったことについて「どうせ数年後に死ぬ身だったのだから、もうちょっと無理してくれてもよかったのではないだろうか。が、これは愚痴というもの。」などときもちわるい冗談をのたまう。「無理」? 命削って無理してた人間に対して「もうちょっと無理してくれてもよかった」はないだろ。何言うとるんだろね。俺こういう人間はほんとに大嫌い。
 そういうわけでわりと読む気失せつつあって困り中。ハヤカワ文庫SFで浅倉久志の新訳版が出てるらしい。どうしよう。

 俺どうもじぶんと笑いのツボが違う人間が嫌いなみたいだね。

【買った本(2006年6月7日)】
 フィリップ・K・ディック『暗闇のスキャナー』(創元SF文庫)←ブックオフ400円。金券350円使ったった。ディックの本ってあんまし古書店で見かけない気がするのでとりあえず。


2006年6月18日(日)
 夜勤明けでひと寝入りしてから買い物してきたよ。そして明日はひさしぶりのお休みの日ー。
(*´Д`)

 ついこないだおろしたボールペンのインクがものすごい勢いで無くなってゆく様を目にしてこらあかんと別のやつ購入。メモ。
 ちなみに前買ったのは三菱鉛筆のパワータンクスタンダード(ノック式)。濡れた紙にでも書けます、みたいな売り文句に釣られて買った。ときおりその機能が必要になるしごとしてるもんで。デザインもなかなか良かったんだけどいかんせんインクの減りが速すぎる。頻繁に買い換えるのめんどくさい。
 そういえば三菱鉛筆ってのは三菱グループとは一切カンケーないんだよね。

 チビゴキ対策にコンバット買ったった。効き目6カ月。メモ。

 あと、栄養剤買った。キューピーコーワゴールドA(180錠)を試してみる。

 今日はムリして買い物を片づけたよ。これで明日は録り溜めしといた映画を少しは消化できるかな。録画しといた映画を観るときには感想を書かないといかんような内容だったときのために本編約2時間に加えて最低小一時間は用意しとかんといかん。休日でないとムリ。だからいそがしいとどんどんたまってく。


2006年6月19日(月)
 録っといたマトリックスリローデッドをとりあえず観てみた。俺いちおうじぶんのことSF者だと思ってるんだけどそれでも台詞の意味がよくわからない。思わせぶりなことを適当なノリで並べて煙にまいてるだけと違うのか。アクションシーンもその他のシーンもそれぞれ冗長すぎてところどころ早送り。完結編のレボリューションズはTVで放送されたらとりあえず観てはみる予定。評価は60点ぐらい。
 次、オフィス北野の『チキン・ハート』。池内博之+忌野清志郎+松尾スズキ。ダメな3人がゆるゆると暮らしてるんだけどやっぱいつまでもダメじゃいかんよなあ、みたいな話。もしこのひとが音楽やってなかったらほんとにこんな感じのおっさんになってたんじゃねえかと思える清志郎のデタラメなダメっぷりがとても恐ろしかった。この映画観て恐怖を感じるひとはそんなに多くないかもしんないけど。評価は75点ぐらい。

 ちょっと休憩のつもりでYouTube眺めてたら物凄い勢いで時間が吸い取られた。そかー、これが話に聞くYouTube地獄かー。やられたー。せっかくけっこうな時間を支払って地獄巡りしてきたのに何の手土産もないのはくやしいのでいっこ貼っときます。

 JUDY AND MARY Judy Is A Punk Rocker

 YUKIたんテラカワユス(*´Д`)

 そゆわけで録り溜め映画は2本しか消化できなんだす。


2006年6月25日(日)
 フィリップ・K・ディック『暗闇のスキャナー』(創元SF文庫)読んだよ。確かに訳者あとがきで言われなきゃ気にしなかったことかもしらんけどいつものディックとは毛色が違ってた。登場人物がドラッグによって世界の隠されたヒミツに触れるようなことはこの作品では無い。何故ならヒミツなんて存在しないから。現実というものはあくまで堅牢で、個人の認識が変化した程度ではなんら揺らぐことはない。
 ただ、主人公の隣で寝てる売春婦の顔がドナの顔に見える場面はどうなんだろ? 後日ホロ・テープ上でも同様に見えて主人公はギョッとする。作品全体からするとここはディックのミスのように思える。

 ラスト近く、主人公がえらいことになってから結末までの白昼夢のような雰囲気がすごい。作者あとがきの最後の3行ぐらいも胸に迫ったね。おもしろかった。薦めてくださったかたがたありがとう。映画が公開されたらたぶん観にゆくと思う。あと、でっかい本屋寄れるようなときに新訳版もちょっと見てみないといかんね。

 次はハンターのクルドの暗殺者読み読み中。おもろいね。

 ゲド戦記の主題歌(なの?)がとてもいい曲だと思う。
 映画化発表当初、小さい人間が巨大なドラゴンと対峙してるあのポスターを目にしたときには微妙に卑屈な感じがしてイライラっとした。いちいちそんなもんに問いかけんでもじぶんの好きなように撮ればいいじゃねえか。
 でも新しいほうのポスターはけっこうスキ。朝焼けなのか夕焼けなのかわからんところがいい。
 まあジブリ作品なもんで俺は観にはゆけんけどな。何年後かにTVでやったら観たろ。

 俺の貯金、今80万円弱。300万になったらしごとやめてデイトレやる。これは常々しごと先でも公言してる。たぶんあと2年ぐらい。まああと2年程度でおさらばだと思えばキツイしごとでもふつうに我慢できるよ。
(´ω`)
 年金だの何だのをみてもわかる通り、団塊世代に徹底的に搾取されつくしたままで終わりそうな俺らが選んだスタイルがニートだったりネオニートだったりするんだよ。当事者は意識してないだろうけどな。

【買った本(2006年6月24日)】
 井上雄彦『バガボンド』23巻(講談社)


2006年6月27日(火)
 掲示板を新しいのにかえてみますた。画像つきエロ広告があまりにもひどいので。
2010年10月31日追記:現在ではこの掲示板を使ってます。

 水道橋博士がこないだの土曜にタモリ倶楽部の撮影で渋谷のgoogle日本支社に行ったらしい水道橋博士の「博士の悪童日記」より)。何故この番組でgoogle? と思ったらGoogleEarthの紹介がメインだとか。納得。いかにもタモリ倶楽部っぽい企画。放送いつかな?

 本日は休日。録画してある映画を古いのんから順に消化するよ。
 まず、アートオブウォー。観始めて、あれれと思う。どうも観たことあるような気がする。その割に全然ストーリーを憶えてないもんでたいした作品でもないだろと判断して途中から最大速度で早送り。所要時間20分ぐらい。評価たぶん60点ぐらい。
 次、SWAT。冒頭の突入シーンだけわりとおもしろかった。あとはぐだぐだ。脚本おかしすぎ。わざわざ少人数でクルマなんか使わんでももっかいぐらいヘリ使用を試みてみりゃいいじゃん。後半で護送対象者が逃げ出すところあたりから早送り。んで最後は何故かハリウッド刑事モノ伝統の殴り合い。この映画、刑事モノとは違うと思うんだけどなあ。捜査しとらんもの。それで伝統のスタイルを使うのはおかしい。評価は50点ぐらい。

 今日も2本観ただけで力尽きた。

 スティーヴン・ハンター『クルドの暗殺者』(新潮文庫)読みおわたよ。
 これ、このひとの長編第2作なんだって。フレンチーって、すでにこの時点で出てるのか。そしてひどい死にざま。
 スペシェネフってのは『ハバナの男たち』に出てきた筋金入りソ連工作員のスペスネフ? と思ったらどうも違うらしい。そうだよな、スペスネフみたいないかすおっちゃんがあんないやーなヤツになるわけないよな。
 どっかにハンター・ワールドの共通キャラクター一覧とか置いてないかな。

 次はリーアム・キャラナン『漂流爆弾』読み読み中。とても不思議な小説。おもろい。


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