2007年3月の毒まつたけ


03/01(木)【マグノリア】
03/05(月)【ミリオンダラー・ベイビー】
03/09(金)【カルチョビット買うたよ】
03/11()【ニンゲンとキカイの話】
03/19(月)【老人と宇宙】
03/21()【鴨志田穣死去】


2007年3月1日(木)
『マグノリア』観たよ。猿岩石のビデオと一緒にトモダチに借りてそのまんま寝かせといたやつ。
 こらおもろかった。
 ちょと変わった人たちの奇妙な人生の一部分がお互いにからんだりからまなかったりする話。今までみたこともないクライマックスがみどころ。
 ようするに、悔い改めよ! てことだろ。俺、聖書には今んとこまだ詳しくないけどこのぐらいのことは識ってるでよ。この映画でのあれが暗示しているのはエジプトの災いのうちのひとつだよ。知ったのはついさいきんタフの方舟読んだときだけどな。
 まあ、そこんとこに気づいたからにはじぶんにできる範囲で良いのでなるべく善く生きることにしようや。俺がそこいらのことに気がついたのは1995年のことだ。これが早いのか遅いのかは分からん。ただ、まだ若いうちで良かったとは思うし、死ぬまで気づかんひともおるであろうことを考えるとそれよかずっといい。
 殺人事件のエピソードに端を発することがらが途中で放り出されてるのはあきらかな瑕疵。時間の都合上で切るなら全部切っとかんと。おかげで、警官が銃撃される付近の意味深なカットが全部イミわからんものになっちゃってる。そこだけは残念。
 1年ぐらい前、同じ監督の『ブギーナイツ』を観たとき、「あとちょっと興味深かったのは、このひとのペドフィリアに対する態度がかなり否定的だったのに対してホモセクシャルに対してはむしろ好意的な視線を感じたこと。それと、注意深く観るとどうもコカインに対して否定的なものを持ってるっぽい、ってところ。違うかもしらんけど。」と書いた。確かに。一貫してる。(評価:80点


2007年3月5日(月)
 NHKアーカイブスで1989年のETV8水木しげるを再放送してたもんでこないだ観たよ。
 ゲゲゲの鬼太郎連載時に編集のほうから要求された「格闘」という要素をどう処理したかとゆうあたりの話で、「奇妙な奴が出てきて奇妙な戦いをする」「へんてこなものをへんてこにやっつけるのはどうしたらいいか」てゆってた。なるほど。真髄がぽろっと出てきたみたいで興奮した。良い話を聞きますた。あの作品にねずみ男を配置せねばならんかった理由については前から知ってたけど。

 3月2日、新しいヒゲソリ買ってきた。ちょと贅沢してシックの4枚刃のやつ。798円。今まで2枚刃のしか使ったことなかったもんで試しに。電池とはいえど水気のある場所でデンキ使うのはどうも抵抗あるので振動機能つきのやつは選ぶのやめといた。
 翌日使ってみた。あほみたいによく剃れる。どのぐらい長持ちするのかなこれ。

 1日2日は2連休でなんかムラムラっとしてバーチャルコンソールの真女神転生(SFC版)を買うてもうた。900円。
 バーチャルコンソールて、なんか独特の違和感無いけ? どうも実機とは違う感覚があるんだけど……。エミュレータてのはおおむねこんなもんなのかな。いままでそおゆうのに手を出したことないもんでよくわからん。とにかくパサパサして軽い感じする。

 今日は夜勤明けで帰ってきて夕方起きた。さてどうしようかとなんとなく『ミリオンダラー・ベイビー』を観たところ完全にノックアウトされた。クラクラしながらCinemaScapeを覗いてみたら、最後に注射器が2本用意されてたのを見逃してはいかんよ、みたいなことが書いてあって、結末も把握できてないとは俺よっぽどヤラレてたんだなと思った。良い映画だけどまあ二度と観たくないね。評価するなら85点ぐらい。


2007年3月9日(金)
 昨日GBAの『カルチョビット』買うたよ。サッカークラブ育成ゲーム。前から買ったろかしらと思ってたやつ。けっこう安く売ってたもんで。中古1980円。
 練習試合で課題メニューを集め、その課題メニューを選手個人に対して消費することによりパラメータを上げてくゲーム。メニューの組み合わせによってはスペシャルメニューになってパラメータが大きく上がる。
 今んとこ、攻略サイトをざっと読んだところ。スペシャルメニューはとりあえず一覧を印刷しといた。
 選手は課題メニューでの特訓以外でも試合に出ると強くなるみたいなんだけどそれが練習試合にも適用されるのかどうかがよくわからん。それが適用されるのが公式試合だけなら、練習試合には2軍の選手出しといたほうがよくね? 試合すると疲労度たまるらしいもんで。
 まあ、ぼちぼち遊ぼう。
 ちなみにチーム名はジャガンナート春日井。

 世界樹の迷宮も相変わらずプレイ中。なかなか良いゲームですよ。
 攻略サイトとか読んでみたら、どうも間違って売ってしまうととりかえしのつかなくなる武具があるみたいでそこんとこはやや残念。とにかく俺はコンピュータゲームでとりかえしのつかなくなるってのは嫌い。

 昨年末あたりからチャットモンチーのロッキン丼てラジオ番組を機会があれば聴くようにしてる。ウチの地方だと土曜の21時半からの30分間ぐらい。
 あのねー、ギターボーカルの橋本絵莉子のトークがちょっとすごいんよ。もっすごいかわいい。徳島弁丸出しで変な角度からおかしな話ばっかするの。とにかくわたくしこんな異様なトークスタイルは今まで耳にしたことがございません。
 聴いたことないひとはびっくりすると思うんで一回チェックしたってください。

 チャットモンチー、確かにガールズバンドとしては10年に1組の奇跡的な逸材だとは思うけど。それでもゴーバンズには達してねえなあ。


2007年3月11日(日)
 こないだamazonでナチュンと岳を注文して、何時間か経って後から追加で竹光侍と老人と宇宙を注文した。その際、先方に送料を節約させたろとホトケゴコロを発心し、注文をまとめようとしたらもうまもなく発送されるからダメてゆわれた。まあそれならそれでよい。
 んで、本日着荷したナチュン+岳のほうの箱を開けたら、L.L.Beanのけっこうまともなカタログが同梱されてて、あれれなんでだろと思ったの。竹光侍+老人と宇宙のほうの箱には入ってない。
 たぶん原因は『岳』だね。マーケティング戦術として感心しつつも、それ以上にどうして岳とL.L.Beanとがリンクしたのかが気になった。
 つまり、岳という漫画の内容を知っていないとL.L.Beanとのつながりは見いだせないわけじゃん。そこにはソムリエ的知識を持つ人間が介在してるということになる。そういうことなのか、それともamazonで岳を買ったひとは同じくamazonでアウトドアジャンルの商品を買うことが多いというデータがあって、そこから機械的に導き出されたのか。どっちなんだろ?

 以前、ユニフォームの問屋に3年ぐらい勤めてたことがある。そんときは倉庫の商品管理を全部仕切ってた。(余談だけどこうみえてもエスパーのはしくれなので、勤めて1年も過ぎたころにはときおり直観がはたらくようになってた。たとえば29.0のサイズの厨房靴なんてそうそう出ないんだけど、なんか出るような気がしてよぶんに1足発注してみたら翌日ぐらいに出たり、在庫積んであるズボンの特定のサイズをなんとなく10本ぐらい厚く積んだらやっぱりすぐ捌けたり。まあ、時々だけど。以上、余談)
 んで、とある取引先にカッターシャツのメーカーさんがあって、ウチはそこから物凄い量の商品を仕入れてたのね。ところが、そこはカタクナに機械化を拒んでいるのか全部手書き伝票だった。驚異的なのは、全部手作業なのにまったく間違いがないってことなの。カッターシャツなんてサイズえらい種類あるからミスしそうなものなのに。その会社、発送担当のひとはどうもひとりしかおらんみたいで、俺は顔も知らないそのひとを心の中でひそかに「鉄人」と呼んで尊敬してた。いや、冗談でもなくほんとに尊敬してた。
 それとは逆に、鉄人を雇っているわけではなく、全ての商品をバーコードで管理して極めて機械的に受発注をこなしてるメーカーさんがひとつあって、ここもまた凄かったの。とにかく誤出荷がゼンゼン無い。特に、伝票と現物との違いがあったことなんか確か1回も無かったと思う。バーコードをリーダーに通さないと物理的に箱に入れられないようなラインのつくりにしてあるんだねたぶん。バーコードは「全ての商品」に、てのがミソ。こういうのはイレギュラー一切無しでやらないといけない。
 他はだいたいどのメーカーも週1回ぐらい以上の頻度で誤出荷をやらかしてくれるのに、上記の2社だけは完全なる例外だったもんで印象に残ってる。考え方は正反対なのにね。

 どっちのやりかたがいいんだろ?

 機械は移籍したり独立したり死んだり退職したりしない。そりゃ人間とくらべるとしごとの質的には劣るかもしらんけど。長期的には安定感がある。
 けどなあ、どっちがおもしろいかてゆうと。
 やっぱ鉄人を囲ってるほうがおもしろいなあ。俺は。

 だから、今回の件はamazonかL.L.Beanかにちょっと特殊な奴が居たってことならおもしろいなあ、とおもたのです。

【amazon購入本】
 ジョン・スコルジー『老人と宇宙』(ハヤカワ文庫SF)←邦題はたいがいだけど。
 石塚真一『岳』1〜3巻(小学館)
 都留泰作『ナチュン』1巻(講談社)
 永福一成松本大洋『竹光侍』1巻(小学館)←連載は読んでる。とても良い作品です。じつは松本大洋の漫画を買うのはこれが初めて。とゆうかまともに読むのすら初めて。たぶん食わず嫌い。


2007年3月19日(月)
 ジョン・スコルジー『老人と宇宙』読んだよ。
 俺は今のしごとを始めてから活字は極力しごと中に読むことにしてるのです。どおゆうことかとゆうと、本はしごと先でも楽しめるけどweb閲覧や録画しといた映画やとりあえず買っといたコンピュータゲームは自宅でないと楽しめんから。拘束時間の長いしごとだもんで家での自由時間は多くなく、映画もゲームも既に何十時間ぶんも溜まっちゃってる。だから外でも読める活字に対して自宅での貴重な時間を消費するのはもったいないの。
 それなのにまあ、しごと先で半分ぐらい読んで中断して帰宅後、我慢できなくなって自宅で続きを一気読みしてしまいましたよ。明日もどうせしごと先で腐るほど時間つぶさないといかんのにね。
 いわゆるミリタリーSF。なんだけど俺はこの作品のおもしろさの根幹は広義のミステリ要素にあると見た。読んでる最中はいつでもだいたい未解決の謎がいっこ置いてあるんですよ。んで、それらは最後まで解決しないんじゃなくて、適度なところでヒミツが明かされる。そしてすぐに次の別の新しい謎が仕掛けられる。ここいらの技術が絶妙。
 困るのはここで俺が詳しい感想を少しでも書くと未読のひとの楽しみを削いでしまうだろうってこと。そらどんな小説もそこんとこは同じだろうけど。この作品に関してはいつもより繊細に扱いたい。
 とゆうことで差し障りのない点だけ。
 まず、なんで75歳にならんとコロニー防衛軍には入隊できんのか、ってところですよ。入隊後どうなるのかとかどんな戦争が待ってるのか、とかもっすごい重要なポイントが我々どころか主人公らにも秘匿されてる。先がさっぱりわからんもんでこれはわくわくしますよ。
 ユーモア感覚も珍しく俺のお口にとても合ってる。訳者あとがきを読んでみたらどうも元々ユーモアSFを書いたことがあるひとだとか。これは納得。ほんとは『マンハッタン市街戦』みたいなギトギトの不謹慎きちがいジョークが大好物なんだけど、こおゆう下品でありつつ適度にやわらかいはんなりしたユーモア感覚もとても良いですね。ただ、こおゆうの書けるひとは少ないのかたまにしか出逢えない。それだけで俺にとっては価値ありです。

 昨年あたりから俺が手を出し始めた新しめのSFの中ではダントツでおもしろかった。とても読みやすくて難しいところも一切無いエンタメ小説。オススメ。
 この邦題はいろんな意味でいかがなものかとは思うけどな!

 あと『マッカンドルー航宙記』読んだ。古いスタイルの古いハードSF。フツー。

 さらにマーティン・シェンク『小さな暗い場所』読んだ。驚くべきことに第一部はわりと調子いいときのキングにも匹敵する。しかしなぜか第二部はもっすごいB級以下のホラーに。とゆうかホラーですらない。なんじゃこの落差は。まあブクオフ105円だからこんなもんでもよいよ。ストーリー要約するのめんどくさいんで必要なかたはケンサクしたってください。

 石塚真一『岳』1〜3巻はあまりにも素晴らしかったので後日何か感想を書くかも。書かないかも。


2007年3月21日(水)
 鴨志田穣、20日午前5時死去。42歳。腎臓癌。
 サイバラはいろんなひとと、画+文章、みたいな感じで組んでるけど、たいがい文章よりサイバラの画のほうがおもしろい。そんな中、唯一、サイバラの画に勝ってたのが『どこまでもアジアパー伝』あたりからの鴨ちゃんの文章だった。これはすごいと思ってアジアパー伝のシリーズは出るたびにハードカバーで即買ってたよ。
 サイバラの漫画で描かれてたの見てると、アルコールで肝臓がやられた程度だとばかり思ってたんだけど。もっと深刻な病気だったんだね。
 とても楽しいおはなしを今までありがとう。
 ありがとう。

 今日から3連休だよ。(´ω`)

 デイパック買った。ここんとこ10年ぐらい使ってたのは2wayのやつだったんだけど、さいきんはほとんど背負って使うのみだったからそんならちゃんとした背負う専用の買っとこ、と。6000円強。俺、服とかバッグとかにはほとんどおカネかけないんでけっこうな大金を使ってしまったような感覚がある。コンピュータゲーム買うのは平気なんだけどな。
 ちなみにノーマディックとかゆうメーカーのやつ。他と比較して割安なのと、口上のココロザシが高かったもんで買った。「街歩き専用仕様」の商品です、ってハッキリゆってるのも良い。
 じっさい使ってみたところ確かにものすごいよく考えられてる造りで今のところとても良い買い物をしたと思ってる。たとえば、商品のカラーにかかわりなく何で裏地は一律オレンジ色なのか、っつーと中に入ってる荷物とのコントラストが高くなってお目当てのものを取り出しやすくなるから、とか。こおゆう考え方ってスキよ。機能性も高く、文庫本スペースも、絶対にソコにあって欲しい場所に然るべきカタチできっちり用意してある。
 それでも耐久性だけはまだなんとも言えづ。まあ、10年経ってもまだ問題なく使えてたらまたここで報告しますよ。
(´ω`)


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