2007年8月の毒まつたけ
08/07(火)【序破急】
08/19(日)【自虐の詩】
08/20(月)【トランスフォーマー】
2007年8月7日(火)
エヴァンゲリオンの今度の劇場版てのは三部作で、それぞれタイトルが「序」「破」「急」なんだってね。
昨今のエンタテインメントのリズムというのは三拍子になってる。これじつはそんなに世間には知られてないヒミツ。漢詩みたいにクラシックな起承転結じゃあないのよ。たとえばお笑いの場合なんかでも以前130Rの蔵野孝洋(ほんこん)が開陳した通り、リズムは、ツカミ・本ネタ・オチの三拍子なの。
以下、俺が敬愛する原田眞人監督の日記2006/07/28 (金)付より引用。
序破急。
■序破急の優位性という質問の趣旨がよくわからないものの、ぼくが脚本塾で教えたことはこうです。単純に起承転結という4拍子がまずペケ。承イコール転が映画のリズム。起転結でもかまわない。映画は3拍子。これはスリー・アクト・セオリーとも一致する。ただし、このセオリーでは大枠しか捕えられない。序破急は、映画全体を構成するものが大序、大破、大急。それぞれは中序破急を含み、中それぞれは小序破急を含む。こうやって映画をショット構成にほぐしたとき、ここでも序破急を構築することができる。ということですね。
webには金言がいろいろ転がってるね。
【amazon購入本(2007年8月1日)】
五十嵐大介『カボチャの冒険』(竹書房)
林田球『ドロヘドロ』10巻(小学館)
【amazon購入本(2007年8月3日)】
五十嵐大介『海獣の子供』1・2巻(小学館)
小田扉『団地ともお』10巻(小学館)
鬼頭莫宏『ぼくらの』7巻(小学館)
【買った本(2007年8月6日)】
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より墜ち』(ハヤカワ文庫SF)←落穂拾いだとゆうのはわかってるけど買った。だってティプトリーだもの。もしもつまんなくてもよいよ。ティプトリーだもの。
2007年8月19日(日)
昨日ちょっとキレたので9月一杯でしごとやめることにした。貯金200万しかない。
たいへんです。ティプトリーの『輝くもの天より墜ち』がけっこうおもしろいです。キンタナ・ローがあんな感じだったもんでもうこの人の未訳作品にはおもろいの残っとらんのかと思ってた。
ダグラス・ケネディ『仕事くれ。』読んだよ。とゆうか読んでない。主人公含めて出てくる連中すべてカンに触る不愉快なキャラクターばっかし。ヤッピー(死語)とゆうかギョーカイ人とゆうか、そんなひとらはみんなしねばいいよ。とりあえず速読で話だけ追う。500ページ読むのに20分ぐらいかな。いちおう最後まで目を通したので即ごみ箱にポイ。
帰省中のおとうとくんが業田良家『自虐の詩』持ってきてくれたから読んだよ。竹書房文庫の上下巻版。
なるほど。評判通り。これを食らって泣かない人間はそんなにいないだろう。
DV(ドメスティック・バイオレンス)をお笑いにしていいのかな、という部分は確かにある。父親からもDVを受けてた、ってあたりも妙にリアルで嫌な感じしすぎ。現に上巻はマジで1ミリも笑えなかったし苦痛だった。俺なんでこんな苦行をしとるんだ、と。しかしその苦行の果てには漫画史に残るあの驚異のクライマックスが結末として用意されている。
ところが、その結末付近の出来事のみを概略として文章にすると、たいした話でもないんだよね。俺はその点がこの作品のキモなのだと思う。
それはどういうことかとゆうと、あの結末の感動はそこに至るまでの幸江さんの苦痛との落差から生じているということなの。時速80キロメートルのスローカーブに慣れた眼には時速130キロメートルのストレートがとんでもない剛速球に見える。それとほぼ同じ原理により、なぜこんなささやかなことがここまで激しく胸を打つのだ! と読者は驚愕することになる。
ちいさなふしあわせをいっぱいもっているひとはちいさなしあわせもいっぱいもっている。人間のものの感じかたというのはそういうふうにできているのだと思う。だからしんぱいしなくていい。
そんなきもちわかるでしょう?
無論、上の段落はブルーハーツの名曲情熱の薔薇を元にしとります。「自虐の詩 情熱の薔薇」でケンサクしてみたら9件しかヒットしなくてしかも9件全部があんましカンケーないケンサク結果で、そらあかんだろと思った。あまりにも自明のことなもんでわざわざ記述する奴はひとりもおらんかったのかもしらんけど。
何にせよこの『自虐の詩』という作品が人間の心のしくみについて普遍的な何かを表現しているのは間違いない。そういう作品は心を打つ。そんなあたりまえのことを思い出して心が洗われた。押忍。
2007年8月20日(月)
今日は御近所の映画館が男性千円の日なもんで『トランスフォーマー』観てきたよ。字幕版。
宇宙からやってきた機械生命体たちのアイテム争奪戦に若い男のコが巻き込まれる話。
えっと、ふつうだった。ふつうのハリウッド映画。アクションシーンはティーンエージャー向けのアトラクションとしてとても爽快感がある。
ふつうです。あらゆる点でふつうです。
なのに、オプティマス・プライム登場の場面で何故か涙がぼろっと出た。びっくりした。何でかはよくわからん。たぶん、よくぞまあここまで、と感じたのだとは思う。俺20年ぐらい前にトランスフォーマーよく観てたわけじゃないよ。ちょいちょいは観てたけど。フリークてわけじゃあない。むしろ、まあバタ臭いアニメーションだな、としか思ってなかった。
でもね、俺、オプティマス・プライム、つまりコンボイ司令官の顔がスクリーン上でものすごいリアルなCGで表現されてるのを目にした瞬間、コンマ5秒ぐらいで涙がぼろぼろっと出ちゃったんだよ。たぶん吹替版だったらもっとえらいことになってたな。
ほんと、何なんだろうね。
中坊の頃の記憶と何か繋がってるのかな。
なお、バンブルビーが言葉を発せなくなってる、てのはお見事な設定でした。
対象を30代の男のコ限定としたらたぶんかなりツボを突いてる作品なのだと思う。他の世代がどう感じるかは知らんよ。だから評価はちょっと低くしとく。泣いたけどな。(評価:75点)
ニコニコ動画のうんこまんの大冒険シリーズがおそろしく可笑しかったもんでとりあえず紹介しときます。オブリビオンのプレイ動画ね。腹が痛くなるぐらい笑った。うんこまん最高。ニコニコ動画のアカウント登録はメールのアドレスを登録するだけなもんで、持ってないひとはこの際捨てアドでとっといたってください。
とにかくXbox360が値下げしたら本体ともどもオブリビオン買おう。買うぞ。
【HOME】 【当サイトについて】 【映画の感想】 【創作小説】 【愛用ソフト】
【過去の毒まつたけ】 【毒まつたけアンテナ】 【掲示板】 【Twitter/ebis1971】